図面は語る

endoco

2012年12月12日 05:52

天井板は片方向へ微妙に傾けて設置してある

トンネルの躯体から染み出した地下水を滞留することなく排水するためだろう。

中央部をもち上げる 左右対称の形状を選ばなかったのは疑問。

微少でも中央の吊り材に 不均等な負担を掛け続けることになる。

通過車両による震動,地震時の加速も不均等に吊り天井を揺するだろう・・・。

中央の吊り材は 図面を読むに・・・FB 3×100 ! 間隔はパネル間毎の1200@

30×100の間違いではないの?・・・何度も見直したが 3×100だった。

材種は明記されていないが・・・排気ガスに晒される腐食を考慮すれば

SUS304材だろう。

でも・・・個人的に鉛筆は 12×100 と画きたくなる。



直接的には局部のケミカルアンカーの付着力の後退が落下の引き金になり

動的な加重により吊り材の各部が連鎖的に許容値を超えて

連なって落ちていったと想像できる。

経過年数から 静的には必要十分な断面は有していたということだが・・・

もし・・・部材選択に余剰があれば部分的な崩落で止まったと思う。

ワイヤー等による滑落防止の工夫が無かったのも残念。

中央が落ちても パネルの片端だけでも残っていれば生存空間が残ったかもしれない。






部材だけでなく 思考まで薄い選択 が漂っている。






中央に隔壁が設けてあり排気路と給気路に区画してある

















軽薄な この図面通りの施行 が実際に行われたのだろうか?

現在の自分には信じられないが・・・施工された当時では常識の範疇だったかもしれない。



図面を観た後で・・・悠々とトンネルを通過する気持ちには もうなれない。





参考:関門トンネル天井改修

関門トンネル天井改修では,そこいらを担保した改修が行われている。

ことさらに SUS材の使用 が書き込んであるのをみると・・・

当時は 排気ガスによる鋼材の腐食 は配慮外だったのかも知れない。





あなたにおススメの記事
関連記事